製作秘話
遠方からのご依頼となった本機。コロナ禍の中で移動が制限された状態でしたが、メールや画像等で出来る限りご希望に沿った仕上げとさせて頂きました。
特にフェスタレッドのカラーリングは拘りをお持ちのオーナー様。確かにフェスタレッドは現存しているヴィンテージ個体、Fender社の現行モデル、どれを取っても様々な色味でお好みも分かれるところです。
非常にデリケートで絶妙なカラーリングである為、再現する事も大変高い技術とセンスが必要です。オーナー様は鮮やかなオレンジ色っぽいものより、淡いピンクに近いような、それでいてヴィンテージらしい経年変化も含めた再現を望まれていました。
加えてエルボー部分のレリックも、下地のホワイトが雲っぽくボヤけた状態をご希望との事でした。その上で自然な経年変化を落とし込むのは決して簡単ではなく、多くの工程と高いセンスが要求されました。
仕上がりには大変ご満足頂けたようで、私共も大変嬉しく思います。
今回はそのビジュアル面にスポットを当てた秘話となりましたが、メリハリの効いたツワンギーかつ太いSTトーンも絶品な一本であった事も付け加えさせて頂きます。
【Spec】
Body : Alder 2P
Neck : Hard Maple 1P
Finger Boad : Indian Rose Wood / Jescar #55090NS 21f
Joint : Detachable
Machine Head : Gotoh SD91-05M-MG-T
Bridges : g7 Original Synchronized Tremolo
Pickups : Vanzandt Vintage Plus(Less Pressure) Set
Control : 1Vol , 2Tone , 1SW(Fender Circuit)
Color : Fiesta Red on 3TS
Finish : Multi Layered Relic (Full Lacquer)
2021/03/05
ピックアップにはVanzandtを採用
ピックアップにはヴァンザントのヴィンテージプラスをセットで採用。太く適度な暴れを持つ中域、リアルな泥臭さが持ち味のピックアップ。g7-STの持つタイトでコシのあるアコースティックトーンとの相性も抜群です。
フィニッシュはマルチレイヤードレリックを採用
3TSで一度仕上げ、その上にフェスタレッドを重ね、レリックの過程で下地の3TSが見え隠れするマルチレイヤードレリックを採用しました。両カラー共にオーナー様の拘りを反映させて頂き、レリックに於いてもエルボー部分の剥がれ方までオーナー様のお好みを伺った上で再現させて頂きました。
ペグにはGOTOHのマグナムロックトラッドを採用
ペグにはゴトーのマグナムロックトラッドを搭載。ロック機構を備えながらも木部加工は通常のクルーソンタイプと同様。ヘッドトップ側からのルックスもノーマルクルーソンタイプと全く同様である為、楽器の雰囲気を壊さずにペグをロック式と出来る優れものです。