G'7 Special
g7-LPS 5A Top "Faded Green Burst"

for TAK MATSUMOTO -B'z-

製作秘話

松本さんにとって欠かせない一本を目指して

 元々のお付き合いはヴィンテージ含むギターの手配やお手持ちのギターのリペア、カスタムなど、実に20年程前より大変お世話になっている松本さん。
長年ご愛用頂いている1959年のレスポールスタンダードや1968年のカスタム、最近では1961年のSGスタンダードや2008年50th Anniversary '58 Korina Vなど、その他様々な楽器の手配をお任せ頂いておりました。
 

その後、一度レコーディングの現場でg7-LPSをご使用頂いた際に即戦力としてお気に召して頂いた事をきっかけに、またGLAYのTAKUROさん(松本さんからご紹介頂いた経緯があります)へカスタムモデルをお作りするというタイミングも重なり、松本さん用の一本を製作させて頂こうと話が繋がっていきました。
 

 今回のモデルをお作りするにあたり、トップに採用した木材は細かく揺らめく深い木目が、全体をびっちり覆う5Aのフィギュアドハードメイプルを採用。ハードメイプルでここまでの杢は恐ろしく貴重で、秘蔵中の秘蔵木材を特別に使用させて頂きました。
バックとネックには1Pのホンジュラスマホガニー。指板にはハカランダを、それぞれ最良のバランスとなるようマッチングしています。
50sのオリジナルバースト同様の、プレミアムウッドのみで構成されたレスポールだからこその鳴りは確かに存在します。勿論材だけ優秀では足りませんが、素材というのは間違いなく重要な要素です。
 

 カラーリングの際には松本さんご自身に店舗まで足を運んで頂き、その場で参考資料となる個体の写真などを元に本機の方向性や細かいご要望までを打ち合わせしながら作業が進んでいきました。
フェイドが進み、赤の成分も部分的には感じれるものの殆どグリーンバースト化しているイメージのカラーリングです。その青の成分もリアルにフェイドしていっている様子を再現しました。
まるで半世紀以上の時を経て辿り着いたかのような、そしてその間のストーリーさえも想像させられるような、圧巻のバーストトップとして完成しました。
 

 ブリッジ周りはレスポールのパーツ類で最も重要なファクターの一つ。
本機に搭載されているブリッジもパッと見はABR-1のレプリカモデルのようなルックスですが、実際はサドルは勿論、ネジや台座に至るまで全てブラスの削り出しパーツで構成されているAPB-1(オールピュアブラス)。テイルピースも鋳物ではなくアルミの削り出しで製作されています。
共にGuardianの発進している純国産のハイエンドパーツとなります。このパーツ構成による恩恵は多大で、中低域の太くパンチのあるブラス特性と、高域の広がりや伸びをより美しく響かせるアルミの特性をそれぞれ最大限活かす工夫が為されています。
 
 
 ピックアップにはVinatage ManiacsのHystericPAFをセットで搭載しました。カバーにはMontreuxのPAFクローンカバーを採用しました。
良い意味でのリアルな隙間感とバイト感が存在しており、g7-LPSとの相性も抜群の印象を持ちます。しかも今回はピックアップ自体をg7モディファイする事で更に松本さん好みになるようアレンジが加えられています。長年お付き合いさせて頂いている私共だからこそ培われてきたノウハウを、今回は至る箇所に反映させて頂きました。
 

 今回の一本はg7-LPSらしいヴィンテージライクなトーンに加え、よりハードなサウンドで実力を発揮するようなコシと粘りの効いた太いサステイン、このポイントに重きをおいて製作〜セットアップを行わせて頂きました。
 

 
一度触ればいつまででも弾いていたくなるような、それまででは考えられなかったフレーズや楽曲のアイディアが自然と飛び出してくるような、そんな刺激的な一本。その刺激こそ我々がアーティストに与えたい大事な要素だったりしますが、本機もそんな一本になってくれるよう誠心誠意込めて製作致しました。
松本さんの今後の活動において、決して欠かせない一本となる事を祈っています。
 
 
※当ブランドは松本様といずれの契約も結んでおりません。本機はあくまで松本様個人へご提供させて頂いたカスタムモデルです。
従ってシグネチャーモデルといった形での販売も予定しておりませんのでご了承下さい。(シリアルナンバーの複製もご用意出来ません)
 

【Spec】
Body Top : 5A Figured Hard Maple
Body Back : Honduras Mahogany 1P
Neck : Honduras Mahogany 1P
Finger Boad : Jacaranda
Joint : Set(Deep)
Machine Head : KLUSON 3+3 g7 Aged Mod.
Bridges : Guardian T.O.M (APB-1 & Shaved ALuminum Tailpiece)
Pickups : Vintage Maniacs HystericPAF g7 Mod. w/Montreux PU Cover
Control : 2Vol , 2Tone , 1Toggle SW(3way)
Color : Faded Green Burst Top / Faded Cherry Back
Finish : Half Vintage (Lacquer)
Serial : 9 1961 Tak

 
 

2016/11/13

※完成お渡し時の一枚。本機を手にされる松本さん。


ピックアップはHystericPAF g7 Mod.

ピックアップにはヒステリックパフをカバード(Montreux)で採用。ハウリング対策と狙ったサウンドデザインの為にg7 Mod.となっています。ハードなドライヴサウンドを念頭に置いたセットアップ技術の一つです。
  

T.O.MシステムはGuardianをセット

ブリッジとテイルピースには共にGuardian(純国産)を採用。ブリッジは全てのパーツがブラス削り出しで構成されたAPB-1。テイルピースもアルミ削り出しで製作されており、太くダイレクトな音響特性でありながら、同時に音楽的な響きを持つハイエンドトラッドパーツとなります。
 

指板にはハカランダ材

指板には大変希少なハカランダ材を採用。オールドギブソンにも採用されていた油分をより蓄えやすく、かつ硬質な特性を持つローズ材。サウンドレスポンスにタイトさと色気、艶を与えてくれる極上材となります。
 

バックはフェイデッドチェリー

トップの雰囲気に合わせ、バックは適度にフェイドした美しいチェリーカラーとなります。このバックカラーも本機の為、研究に研究を重ねた末に完成した自信のチェリーとなります。トップ同様、全く同じ表情は2度作れないオンリーワンの芸術と言えます。
 

ペグはクルーソンのエイジングモディファイ

ペグにはクルーソンの1コブシングルライン。g7でエイジングモディファイを施し雰囲気を向上させている事もポイントです。