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ここでは神田ジョン氏ご本人に今回のシグネチャーは勿論、
g7 Specialとの出会いからその魅力に至るまで語って頂きます。
ファンの方は勿論、g7 Specialの一愛用者としての率直な意見は、
g7 Specialというブランド自体を知りたい方にとっても大いに参考となる事でしょう。
 
 

カラーリングは神田ジョン氏ご本人立会いの元、拘りに拘って仕上げられました。

『現在に至るまでの8年間、
g7のギターはずっと僕のメインギターになってます。』

 
 
Q.1 ではまず、ジョンさんがg7 Guitars、もしくはg7 Special(以下g7 SPL)を初めて知った時の経緯(きっかけ等)を教えて下さい。
 
A.初めてg7を知ったのは人伝てでした。19歳の頃に知人から「渋谷に凄くいいカスタムギターを作っているお店があるよ」という事を聞いて気になってお店に遊びに行ったのがきっかけです。


Q.2 その当時、初めて手にしたg7 SPLの感触は如何でした?最も驚いた事など教えてもらえますか? 
 
A.初めてg7 SPLを弾いた時はまだ10代だったと思いますし、今にして思えばギターの良し悪しも偏った思考ではあったのですが、それでも非常に感動したのを覚えています。生音で弾いた時に今まで触った事のない様な上質なギターの感覚がありました。
サウンドも勿論なのですが1番はやはりルックスに惹かれました。ルックスというよりも、オーラですね。ただならぬギターの雰囲気を纏っていました。
その後初めてg7にギターをオーダーしたのは24、25歳くらいの時でしたね。当時マイブームだったテレキャスターをオーダーしました。その後現在に至るまでの8年間、g7のギターはずっと僕のメインギターになってます。


Q.3 その後2本目3本目と続くわけですが、毎回異なったコンセプトで製作しますか?それともやはり共通する部分もあるのでしょうか? 
 
A.1番最初にオーダーしたギターはテレキャスターなのですが、僕の中のキンブオブギターはレスポールカスタムなんです。でもその当時はレスポールを弾くのが苦手で、見た目は最高なんだけど、、、という事でサウンド的に好きだったテレキャスターの見た目をレスポールカスタムみたいにしてしまえという思いつきで最初の一本のカラーを決めました。
それ以降のジャズマスター、#1(ジャズマスターシェイプの初代シグネチャー)と2本ともカラーリングのオーダーは一緒でした。
#1に至ってはゴールドパーツを纏ってもはや完全にレスポールカスタムみたいなジャズマスタータイプのギターになってしまいました。一貫している所はブラックビューティーのカラーリングです。僕のトレードマークになりました。


Q.4 ジョンさんはテレキャスターシェイプとジャズマスターシェイプをご使用頂いていますが、それぞれの使い分けなどの決まりはご自身の中であったりしますか?
 
A.使い分けはレコーディングとライブでは異なるのですが、レコーディングの場合は100%サウンドで使い分けをします。望んでいる音が出るかどうかでギター選びをします。これまで関わってきたレコーディングでg7 SPLを採用してきたものは非常に多いです。
ライブの場合では圧倒的に#1を使っています。理由は自分の象徴としてのギターに#1を選んでいるからです。製作してもらってから2年余りですが既にボロボロになってしまいました(笑)
 

『「全く新しい1つのスタンダードギター」として
多くの方から愛されるギターになって欲しい』
 

 
Q.5 さて今回のシグネチャーモデルですが、実際に触った時の第一印象を教えて下さい。
 
A.僕は新しいギターの音を確かめる時に必ずEコードとAadd9コードを繰り返してギターの特徴を確かめるのですが、弾いてみて1発目に出た言葉が「あっ完璧です」でした笑
想像通りの先にある素晴らしさと良い意味でかなり意外だった部分の両方がありまして、狙っていた通りサウンドはギブソンの系譜に寄り添いました。ここは想像通りでしたね。
ただ意外だったのが、P90を使っているのでジューシーで緩いサウンドになるかと思いきや、物凄い切れ味の鋭いサウンドに仕上がってました。とにかく弦にピックが当たる音から、弾く音まで全てがダイレクトに伝わる感じがあります。反応も恐ろしく速いです。生音は箱物ギターの様なエアリーさを感じるのですが、アンプを通すと異様な切れ味のある音に変貌します。びっくりしました。


Q.6 その後暫く触っていく中で別の魅力なんかも見えてきたりしましたか?
 
A.今回の仕様であるジャズマスターシェイプ+TOMブリッジ+P90-S-P90のPUレイアウトは弾いた事がありませんし、どんな音になるのか想像の域でしかなかったんです。当初はSGの様なサウンドになればいいなという気持ちでした。しかし実際に弾いていて感じてきたのは狙っていた以上のサウンドだという事です。
マホガニー+P90は非常に相性が良いですし、もはやジャズマスターの面影はシルエットのみですね笑
因みに当初は3wayセレクターにする予定だったのですが、最後の最後で5wayに変えたのも正解でした。このハーフトーンの音は唯一無二のサウンドだと思います。


Q.7 今回のモデルでもカラーへの拘りも並々ならぬものがあったようですね。シグネチャーは勿論ですが、ジョンさんなりの楽器の”色”への拘りを教えて下さい。
 
A.カラーリングへの拘りは非常に強いです。それに楽器のカラーリングは職人さんの拘りや腕前が1番わかりやすく現れる部分だと思ってます。そこに拘らなくてどこに拘るんだという気持ちです。戦隊モノの特撮のキャラにテーマカラーがある様に自分にもテーマカラーというものがありまして、それが黒と赤なんです。黒と赤が大好きなんです。
#1はある意味僕の中で1番カッコ良いギターの完成系でもあったので今回のシグネイチャーのカラーリングをどうするべきかとても悩みました。結果的にはもう1つの好きな色の赤に落ち着きまして、実はこのシグネイチャーの仕様の基本的な部分は#1のオーダーを考えていた時にもうワンパターンとして考えて採用しなかったほうなんです。それだけに#1を超えるものを作りたいという思いが強く、色決めには特に拘りました。
オーナーの大山さんと話し込み、僕の意見を伝えた上で大山さんが何パターンかカラーサンプルを出してくれました。その中にあって、ビビッときて一瞬で「これがいい!」と決めたカラーが今回のシグネイチャーの為に新しく考案して下さった「ダークグレインバーガンディ」です。まるで宝石の様に綺麗で、深みのある美しいカラーリングです。


Q.8 今回のシグネチャーモデルにはシグネチャーと言いながらも敢えてジョンさんのお名前は楽器に入っていません。その事に関して何かしらの拘りや思いがあれば教えて下さい。
 
A.音楽は最初は全て模倣から始まると考えていて、ギターもそれは同じで最初は大好きなアーティストと同じギターを使って楽しむという方が多いと思います。僕もそうでした。しかしギタリストという生き物は必ず何処かで他人と同じものを使う事を嫌う様になるんですね。そうなった時に真っ先に手放されるギターはアーティストシグネイチャーだと思ってます。
g7のギターは決して簡単に買える値段のギターではないので買うからには一生愛して欲しい、使う方の生涯の誇りになって欲しい、そんな思いで僕の名前は入れないようにしました。「全く新しい1つのスタンダードギター」として多くの方から愛されるギターになって欲しいと思ってます。シースルーカラーにしたのも一本一本に違った個性を出す為です。市販モデルもそれぞれ全く同じギターというわけではなく、同じ血縁がありながらも独立したギターだという感じを持っています。


Q.9 最後となりますが、シグネチャーモデル『First Note』を手にするギタープレイヤーへ、何かコメントをお願いします。
 
A.サウンド、ルックス、プレイアビリティ共に最高峰のギターになったと思います。「First Note」を使って思い思いの音楽を楽しんで欲しいです。何度鳴らしても、何年経っても、ギターを手にして初めて鳴らした「FirstNote」の感動を思い出せる相棒になる事を願ってます。